冷凍マンモス、氷漬けの恋

タイガーリリー

あの頃の私に名前をつけるならタイガーリリー、
私はそう呼んだ。

小さな村の誇り高いプリンセス。

なりたい姿がどこか他人の姿に感じて、
私もあの子みたいに素直なら良いのにと笑う。


ピーターパンを嫌いな奴なんていなくて、
みんな彼の好き以上を求めてる。

私も友達のふりしてひっそりあなたの陰で揺れても良いかな。

なんて笑いながら言えたら良いのに。
場違いだって分かってて、もっと可憐で無垢な花だったらと願ってしまう。

だから、そんなフリをしてみる。

あんたなんか嫌いって言っちゃう。

好きなの認めたら私何しちゃうか分からないから。


どうなっちゃうのか分からないから。

ウェンディーに意地悪なことを言って、あなたの好意が消えるのが怖い。

私のこと知ってる?世間から何て言われてるか。

忘れ去られたプリンセスの話。
あの頃私は可愛かったのかな。

全部忘れていたのに、思い出せなくなっていたのに、想像が勝手にあの時の希望を語ってた。

誰の話だか、分からなくなって久しいのに、
君に画面越しに会った時、いつか会いに行かなきゃって思った。

私何回あなたに恋してるのかな。

分からないけど本を捲るたびに求めていたのはあなたの影だったって今になって知ったの。

きっとまた、記憶を無くしたとしたら。
キャンプファイヤーでキスをもらうために、
知らないあなたを探して彷徨うのかな。

私のこと嫌いになっちゃうだろうな。

どんな嫌なことも辛いことも全部私にちょうだい。

私が全部飲み込んで静かな部屋の物置に隠すから。

フック船長に捕まっても、きっと口を閉ざすから。
全部ちょうだい。私だけにちょうだい。



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