冷凍マンモス、氷漬けの恋

古生物学者。

記憶の中の化石をホリホリ。
骨がなかったら幻か?

ネッシーはサーカスから逃げた象らしい。

ならあの寂しそうな君も、拗ねた君も、
複雑そうな君も

そうなのかい?

骨があっても、論文がなかったらダメなのかい?

あの時に話した海の話、あの人に話したんだね。
お陰で少し論拠が上がったよ。

だけど少し悔しいな、
2人だけの話だと思ってたから。

ムキになって色んなことを言う君が可愛くて、意地悪したくなったあの時、私はもっと凄くなれると思ってた。

あんまり辛いから思い出さないようにしてた。

すっかり忘れて君の幻を見た時、
早く論文を書きたかった。

こんな幻が実在したら、そんな夢を書いていた。
気がついたら、あの時と同じ海の夢をみてたんだ。

夏の白昼夢
2人で海に逃げて、砂浜で波を眺めてた。

君の肩で寝てる気がして、眠れた夜もあったよ。

誰かに守られて、誰かに抱かれてる。
そんな夢もみたことあるよ。

あれは君だったの?

今も生きてたら生物学になっちゃうな、
なんて幻を探す。

このままじゃまだ論文は書けないからさ

論拠を2人で探ろうよ。


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