黒眼帯の氷結辺境伯は冷遇された令嬢を一生涯かけて愛したい
「ソフィア、結婚式の後で疲れていないか?」
「大丈夫です。みなさんがあんなに祝福してくださって、とてもとても嬉しくて……こんな気持ちになれたのもルード様のおかげです。ありがとうございます」

 嬉しそうに微笑むソフィアの笑顔に、ルードの胸はまた大きく高鳴り体の奥底から熱が湧き上がる。

「礼を言うのは俺の方だ。氷の瞳を恐れることなく俺と接し、俺に人と共に過ごす喜びを教えてくれた。瞳が治ってからも俺とこうして共に生きていくことを望み一緒になってくれた。本当にありがとうソフィア」

 ルードがそっとソフィアの頬に手を添える。

「ソフィア、俺は今までこの瞳のおかげで女性と親しい話はおろか深く接したことがない。お互いに初めてだからなるべく優しく大切にしたいと思っているが、加減ができなくなってしまったらすまない。その時はどうか殴るなり蹴るなりして止めてくれ」

 ルードの気遣いに、ソフィアは嬉しそうに微笑み静かに首を横に振った。

「大丈夫です、ルード様にだったらどんなことをされても構いません」

 じっと熱のある瞳でルードを見つめると、ルードはそんなソフィアの様子を見て両目を見開き、すぐにソフィアを抱えてベットに押し倒した。

「そんなに煽るようなことを言われてしまったら歯止めが効かなくなるだろう。これは覚悟をしてもらわないといけないようだ」

 こうして、二人の熱く激しい、蕩けるような初夜は始まった。
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