先輩が私にフキゲンな理由《10月〜大幅修正開始予定》
桐生side
「……今日来ないんだな。春乃さん」
「……」
「風邪とか?」
「あーこの時期たまにそういう奴いるよな」
卒業式1週間前の月曜日のお昼休み。
今日もいつも通り春乃が来るんじゃないかと、うんざり気味にお昼の弁当を食べていた。
「桐生、今日のお昼も凝ってるね」
「…そうか?」
「レストラン並みじゃん。ね、そのハンバーグちょうだい?」
「渡すか。今日の数少ない俺の肉…」
「あ、美味しいね、これ。もう一口貰うね」
「あ“、こら!返せ」
「イヤだよ〜だ」
ウィンクをして舌をペロッと出し、両手で手を合わせる、いわゆるあざとい男子である目の前にいる奴は、
一応中学校1年生の頃からの親友である世良郁人(せらいくと)。
表面上はこの通り、“あざとくて可愛い”でまとまる男子なんだが……
「!いく〜2年の女子がお前のこと呼んでんぞ〜」
「……あー…オッケーオッケー」
クラスの男子に愛想のある笑顔を振り撒いて、
明るい声で応えた郁人は、
「はぁ…めんどくさ。どうせフラれること分かってんのにさ」
チッと小さく舌打ちをして、「すぐ戻る」とさっきとは違う低いトーンでの冷たい声を俺にわざわざ吐き出して、
2年の女子の方に行った。
───これが郁人の本性である。
「……」
「風邪とか?」
「あーこの時期たまにそういう奴いるよな」
卒業式1週間前の月曜日のお昼休み。
今日もいつも通り春乃が来るんじゃないかと、うんざり気味にお昼の弁当を食べていた。
「桐生、今日のお昼も凝ってるね」
「…そうか?」
「レストラン並みじゃん。ね、そのハンバーグちょうだい?」
「渡すか。今日の数少ない俺の肉…」
「あ、美味しいね、これ。もう一口貰うね」
「あ“、こら!返せ」
「イヤだよ〜だ」
ウィンクをして舌をペロッと出し、両手で手を合わせる、いわゆるあざとい男子である目の前にいる奴は、
一応中学校1年生の頃からの親友である世良郁人(せらいくと)。
表面上はこの通り、“あざとくて可愛い”でまとまる男子なんだが……
「!いく〜2年の女子がお前のこと呼んでんぞ〜」
「……あー…オッケーオッケー」
クラスの男子に愛想のある笑顔を振り撒いて、
明るい声で応えた郁人は、
「はぁ…めんどくさ。どうせフラれること分かってんのにさ」
チッと小さく舌打ちをして、「すぐ戻る」とさっきとは違う低いトーンでの冷たい声を俺にわざわざ吐き出して、
2年の女子の方に行った。
───これが郁人の本性である。