先輩が私にフキゲンな理由《10月〜大幅修正開始予定》
めんどくさそうに、けどどこか焦っているように見えた櫻井に、まだ話は終わってないと声をかけようとした時、


「……あいくん?」


春乃が現れた。


「あ、あいくん、えっと、久しぶり!元気してた?」


普段から笑顔溢れる春乃だけど、そんな春乃に違和感を持つ。


なんか、無理して笑ってるような気がするのは、気のせいか?


「……別に、普通」


「そ、そっか」


「……つか、もういいだろ。俺帰ってゲームしたい」


「え、あ、だったら私も…」


「……いちいち俺についてくんなよ。ウザイ」


「…っ!」


胸に痛感するような傷ついた顔を俺は見逃すわけなけなかった。


「……お前ら何でそんな仲悪くなってんだよ」


「……先輩には関係ない。赤の他人が俺らのことに突っ込む権利なんてあんのかよ」


「…っ」


元から声のトーンが低い櫻井は今、さらに声のトーンが低くなって、声も視線も口調も冷たくなっていた。


「じゃあ俺帰るから。もう1回言うけどついてくんな」


「…っ、待って…!あいくん!」


「…“あいくん”って呼ぶんじゃねぇよ。お前と、幼なじみなんて、死んでも無理」


「…っ!」


櫻井に論破された俺は、ただもう黙って見てるしか出来なかった。
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