先輩が私にフキゲンな理由《10月〜大幅修正開始予定》
心の中で「せーの」と声をかけたと同時に先輩と持つボールが同じタイミングでシュートを入れた。


ースパン!


ボールが入る音は体育館に響いて、思わず目を見開いた。


嘘…!


「先輩、シュート!シュート入りました!」


「やったじゃねぇか」


入ったことに喜んで先輩の方を振り向くとふっと優しそうに微笑んだ先輩。


今日の先輩、ちょっと変…どころじゃない。


かなりおかしい。


私のこと嫌いなくせに、私が苦手なバスケを教えてくれて、シュートが入ったことに一緒に喜んでくれた。


嬉しい…のに。


今先輩にこんなに優しくしてもらって嬉しいはずなのに、どうして気持ちがザワザワするんだろう。


「先輩、それで話って言うのは……?」


「!……」


すると先輩は私から目線をずらして、1度考えた後、再び私の方に目線を戻した。
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