雑記帳(inベリーズカフェ)

ワンコの餌になったガンダム、その敗因

たまに覗く模型店で安いプラモデルが再販されていたので、久しぶりに作ってみた。三頭身のデフォルメ体型なマスコット(ガンダムもの)、六百円弱ながら、なかなかに出来は良い。気晴らしとかだったらこれで十分だろう。
なにしろ普段は値段が高いのとか新しいのとか主役ばかりが店頭に並んでいて、再販されたタイミングでしか入手しづらい(特にマイナーキャラクターは立体化・製品化の回数・種類や再販される頻度も低い)。中古ショップだと二倍三倍以上の値段になっていることがざらで(希少価値ゆえ)、どうしてもというならば日本に数件しかないメーカー直営の専門店やネット通販くらいしかない。

で、どんなのかというと短いスピンオフ作品「スターゲイザー」のブルデュエルちゃん。彼(彼女)の見せ場・有名な散り際は

「ワンコ(犬)の餌になった」(爆)。

敵の犬型(動物型)ロボットから袋叩き。頭部の牙で食い千切られて死亡。中盤の「戦死枠」、終盤で相棒の黒人さんがパワー切れでやられる。

それでプラモデルを組みながら思ったのは「敗因はそもそもの設計がおかしかった(明らかに扱い辛そうな)こと」。
まず、両腕に拳銃があるが「そのままではとっさに撃てず、わざわざ抜いて構えないといけない」(腕への収納時に銃口が手首・前方でなく肘の方・後方に向いている)。せっかく腕に装備しているメリットがない。そして「接近戦」(斬り合い・殴り合い)用なのに、腕や肩に増加装甲(動きの邪魔で攻撃が出遅れそう)、剣や爪のような武器・鈍器にもならない。
大げさな肩装備、蓋を開ければ「手裏剣」で、ミサイルのようにそのままでは発射できず、わざわざ手で持って投げないといけない(どうしても手裏剣が欲しければ腰にでもぶら下げた方が合理的)。
楯とライフルが右肩に固定武装でついていて、(楯の裏にライフルが固定されていて)同時には使えない。普通は左手で楯を構えて、右手で鉄砲や剣のはずだが。同様のデザインは古いザクでも楯が右肩に固定で扱いにくそう。
しかもブルデュエルは「増加装甲」があるタイプのガンダムなのに、ピンチや不要時にパージしていない。そういうタイプの定番の行動としては、危ないときや破損したときに、本体に追加した装甲や装備を切り離しなんだが。それをやらなかったところを見ると、操縦席からの操作で任意でパージできなかった? しかも「追加されて装甲が厚い」はずが、コックピット(腹部?)だけがら空きで、敵の攻撃があっさりと急所に貫通。これではデッドウェイト(無駄な重さ)で、全身に重りでもつけて戦っているのと大差なし?

たぶん、このブルデュエルはテスト的な面白武器や仮設計の試作品をそのまま渡され(たぶん作った人間は運用がわかっていない)実戦投入されてしまって、未完成・最終調整している途中で、戦いで瞬時の隙が命取りになったのか?
そうでなかったら、ほとんど設計レベルでの悪意すら感じる。それで自分はわざと腕と肩のプロテクター・装甲はつけるのをやめて、色もミリタリー調に塗ってやったよ。
どんなにリアル・シリアスで格好良くとも、しょせん「漫画のロボット」なので(人型の巨大兵器という時点でファンタジー)、見た目のデザイン・印象が優先されていて、理不尽なことが多々ある。
初期の有名なガンタンクなどでも、「重装甲」のはずなのに、なぜかコックピットが頭部(しかもガラス張り)で「狙ってください」といわんばかり。
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