傷心女子は極上ライフセーバーの蜜愛で甘くとろける
 刹那、反対の手を強く引かれた。頑強な腕が腰に巻きつき、強く抱きしめられる。

「れ、漣……んっ……」

 背中がのけぞって上を向いた凪の唇にキスが落とされる。
 吸い付くように唇がぴたりと合わさって、離れて、全てを味わうよう角度を変えてもう一度口付けて。互いの口内を貪り合い、存在を内側に刻みつけるように口蓋をくまなく舐め尽くす。
 
 混ざり合った二人の唾液を嚥下すると、体の中心にたちまち火が灯った。湧き起こる快感を逃すように、彼のシャツをギュッと掴む。
 
 つうっと糸を引いて唇が離れた時、恍惚とした凪は惚けたように唾液で濡れた彼の唇を眺めていた。

「また連絡する」
「うん」
「深夜になるかもしれないし、毎日はできないかもしれない。でも絶対連絡する」
「うん」
「……これで終わりになんかさせないからな」
「…………うん」

 波紋が広がるように漣の言葉が胸の内に響く。一夜限りじゃないという確かな約束。
 どうして、彼は凪の欲しい言葉がわかるんだろう。

 目頭が熱くなる。込み上げるものを隠すように彼の胸に顔を埋めると、大きな手が凪の頭を優しく撫でてくれる。
 最後にもう一度口付け合って、凪はゆっくりと車から降りた。
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