私が代わりになる

「七彩、無理に言って悪かった。でも、もし気持ちが変わったら言って。俺も一緒にいるから」

「うん…さっきは、キツく言っちゃってごめん…」

「気にすんな」


貝塚はやっぱり優しい。

あんな言い方したら嫌われるかもって思ったのに、謝ってくれる。

許してくれた。


昔から、貝塚だけは私を人として扱ってくれた。

他の先輩たちは、私を道具としか思ってなかったのに。


「貝塚、ありがとう」

「何が？」

「いや…色々と」

「別に。七彩、俺はお前の気持ちに応えることはできない。それでも、俺の彼女でいたいって言ってくれるなら、俺は俺なりに七彩を大事にする」

「うん」

「何かあったら頼れよ？」

「ありがとう」

「ところで、いつ広太って呼ぶわけ？」


え？

そういえば、そんな話ししてたっけ…


宮野のことで忘れてた！


しかも、いまだに言ってるし！！！