私が代わりになる
「わからないことは、音無くんに聞いてください」

と、課長が宮野に伝える。


勘弁して!

私は嫌です!なんて言える訳もなく…


「わかりました。音無さん、よろしくね」

と、にっこり微笑む宮野。


あたかも、初めて会うような態度。

何か企んでるんじゃないか…って思える微笑み方。


怖い…助けて、広太…


なんて思っても、助けてもらえるわけじゃない。

だけど、助けて欲しかった。


あれからしばらく仕事はスムーズに出来た。

宮野の存在を消して、なんとか!だけど。


午後の仕事の時間、嫌だと思ってたことが現実になってしまった。


「音無さん、資料室行きたいんだけど場所わからなくて。案内してもらえないかな?」


と、話しかけてきたのだ。

話しかけて欲しくないって思ってたのに。
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