私が代わりになる
「広太って、抱きしめるの好きなの?」

「いや…七彩にはなぜか抱きしめたくなる」


それって、喜んでもいいのかな?

抱きしめたくなるって言われただけで、私の気持ちはルンルンだった。


好きになってくれてる?って勘違いするくらいに。


「そっか、ありがとう。私、広太から抱きしめられると安心する」

「そうか」

「でもね、これだけは言っておくね。私のこと嫌いになったら、ふってくれて大丈夫だから」


嫌だけど…

縛り付けてはいけない。


だって私は、遥さんの代わりなんだから。


「そんな顔で言われてもな」

「え?」


どんな顔?

私、そんなひどい顔してる?


「ふっ」

「え?なんで鼻で笑うの?」

「別に。それより、眠い」


そうだよね。

疲れてるよね…
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