私が代わりになる
「家事はするよ、ちゃんと」

「無理しなくていいから」


無理じゃない

私がしたいんだ。


「無理じゃないから」

「そうか。じゃあ、頼むな」

「うん!ありがとう、広太」


広太って呼ぶのに、最初恥ずかしかったけど…

今はもう、慣れてしまった。


むしろ、いまさら貝塚なんて呼べないかも。


「七彩、俺がいない間絶対誰が来ても開けるな。家から出るな。わかったか?」

「うん…」


広太は、私が仕事を辞めても宮野が何かをしてくるって思ってるらしい。

それは私も…考えていたことだった。


だけど、心配性すぎる気もするけど…


「なんかあったらすぐ連絡して。絶対、七彩は俺が守るから」


私のこと、好きでもないのに。

どうして、こんなにも優しいんだろう。

守ろうとしてくれるんだろう。
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