私が代わりになる
「俺いますから、大丈夫ですよ」


こんな人に、七彩を任せたくない。

俺が傍にいるんだから、早く帰ればいいのに。


「そう?このあと用事もあったから、助かります。これ、着替えです」

「わかりました」


「お願いしますね」とだけ言って、さっさと帰る義母。


どうせ、七彩の父親にお願いされて来ただけで心配なんてしてないはずだ。

1回だけ、2人の会話を聞いたことがあった。


そのときに、「この子さえいなければ、由利香は志望校に行けたのよね。このまま、目を覚まさなければいいのに」ってあの女は言っていた。

父親は、「ふざけんな」って怒ってたけど。


由利香は、七彩の妹。

あの女と七彩の父親との間にできた子供

腹違いの妹だ。


七彩には、俺がついている。

だから、早く目を覚ましてくれ。

伝えたいことだってあるのに…
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