私が代わりになる
「由利香は?」

由利香も来ないだろうけど…

「来てないな、一度も」


そりゃあ、来ないよね。


あの人と由利香は私のことが嫌いだ。

私も、あの人のことは嫌い。

でも…由利香は嫌いじゃない…


腹違いとはいえ、妹だからね。

でも、私がいるから由利香は志望校に行けない…

嫌われてもおかしくないよね。


というか、私はもう成人したんだし関係ない気もするけどな…


「由利香はやっぱ、私のこと嫌いなんだね…」

「俺にはわからん」


由利香のためにって、貯金もしていた。

志望校に行って欲しくて。


「由利香にね、貯金渡そうと思って」

「は?」

「志望校、行って欲しいから…でも、嫌われてたら受け取ってもらえるかな…」


受け取ってもらえるかわからなくて、怖くて今まで渡せなかった。

話してももらえないと思うし…
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