私が代わりになる
「わからないが、ちゃんとお前が向き合ったら大丈夫だろ」

「そうかな…」


ちゃんと向き合ったら、か。

確かに今まで、嫌われてると思ってたから傷つくのが怖くて向き合ってなかったかも。


「まずは、自分の体だけを考えろ。な?」

「広太…ありがとう…」

「ほら、もう少し寝ろ」

「うん…広太は、帰る…?」

「大丈夫、ちゃんとここにいるから」


そう言って私の手を握ってくれた。

優しく、でも力強く守ってやるって言ってくれてるように。


私も握り返し、寝ることにした。
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