私が代わりになる
「そっか…パパに話してみたら?」

「絶対、ママの機嫌悪くなるようなことするなって言われるに決まってる…」


うーん、そうだろうか。

パパはちゃんと話せばわかってくれる人だと思うんだけど…


「由利香、悪いが話しは聞いてた」

と、いきなりお父さんの声が聞こえた。


私も由利香もびっくり。

だってお父さん、今日仕事のはずじゃ…


「パパ…!?」

「え、仕事…」

「七彩が帰ってくるって昨日聞いてたからな、早く帰ってきたんだ」


まさかのお父さん登場で、どうしていいのかわからない。

だけど、チャンスかもしれない。


「で、由利香。この家から出たいのか?」

「……うん」

「もう頃合いだな」


と、ボソッと言ったお父さん。

私も由利香もわけがわからなかった。
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