私が代わりになる
10分くらい探したけど、見つからない。


電話しても出ない。

何をしてんだよ、アイツは!!!!


なんで俺、こんなに必死に探してるんだろ。


なんて思いながらも探す。


七彩を見つけたのは、探し始めてから20分後だった。

小さな公園のブランコに乗っていた。


俺は急いで七彩のところへ向かう。


「七彩」

優しく声をかけると、泣いてる七彩がこっちを見た。


泣いてる…

俺は気づいたら抱きしめていた。


「貝塚…」

「探したぞ」

「ごめん…」

「黙って泣け」

「………ありがとう」


七彩は俺にしがみつき声を出して泣いている。


コイツ、こんな小さかったっけ?

こんな弱々しかったっけ?


長い付き合いなのに、七彩のことなんも知らないんだな、俺は。
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