私が代わりになる

七彩side

「好きだ」って言いながら抱きしめてくれる公太。

私が酔っ払った勢いで言ったこと、気にしてるのかな…


お父さんと継母のことで、少し不安になってしまってあんなことを言ってしまった。

公太は大丈夫って信じたいのに、怖くて信じられない自分にムカつく。


「ごめんね、公太…」

「何が?」


気にしてないフリをする公太は、ほんとに優しい。


「あの人、浮気してるんだって…」

「あの人って…」

「由利香の母親」

「そうか」


優しくずっと抱きしめてくれる公太。

私はそれに甘えながら、ゆっくりと話し出した。


「お父さんたち見てたら、公太は大丈夫って信じたいのに…遥さんのことまだ好きなのかな…とか、色々考えちゃって…」


と、私が話すと「バカ」と言いながらも抱きしめる力が強くなった。

何も言わなくても、公太の気持ちが伝わってくる。


ほんとに私は、バカだよね。
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