後姿のピアニスト ~辛くて、切なくて、 でも、明日への希望に満ちていた~ 【新編集版】
 母が着替えるのにとても時間がかかって焦りましたが、予約の1時間前にはなんとか家を出ることができました。

 最寄り駅から2つ目の駅で降りて、ロータリーを超えて2つ目の信号を右に曲がりました。
 すると、2つ目の角に看板が見えました。
『内科・神経科クリニック』

 母を待合室に座らせて受付を済ませました。
 問診表には母の名前と症状を書きました。
 母の横に座って呼ばれるのを待ちました。
 
 15分後、名前を呼ばれました。
 わたしの名前でした。
 2人で診察室に入って椅子に座りました。
 院長は丸顔で小太りの男性医師でした。
 60歳くらいだと思いました。
 その横には神経質そうな中年の女性看護師が立っていました。

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