後姿のピアニスト ♪ 新編集版 ♪
 突然お腹が鳴りました。
 家を出る時にコッペパンと牛乳をお腹に入れただけだったので胃の中は空っぽになっていました。
 近くのコンビニでミネラルウォーターとラージサイズの即席カップ麺を買って割りばしを貰い、
 店員に断ってポットからお湯を注いで4分待って、イートインスペースで蓋を開けました。
 湯気と共においしい香りが立ち上ってきました。
 人目も気にせず貪るように食べました。
 胃の中が温まると体もホカホカしてきて少し元気が出てきました。
 ミネラルウォーターを一口飲んで店を出ました。
 
 商店街を歩いてみましたが、寂れた個人商店ばかりでした。
 年末の稼ぎ時なのにシャッターが下りている店も少なからずありました。
 若い人はあまり見かけなかったので、終わりかけている町かもしれないと思いました。
 
 電器店を見つけたので中に入ると、店主と思われる年配の男性がわたしをじろりと見ました。
 とても感じが悪かったのですが、それを無視して暖房器具を探しました。
 でも店が狭いせいか品数が少なかったし、予算より高い物しかなかったのですぐに出ました。
 
 少し歩くとリサイクルショップがありました。
 店先に小型の電気ストーブが置かれていました。
 特価と書かれてあったので、中に持って入ってコンセントを差してもらいました。
 きちんとつきました。
 オレンジ色の灯りが温かく感じました。
 千円札を出して20円お釣りをもらいました。
 包装すると別途金がかかると言われたので裸のまま抱えて持ち帰りました。

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