後姿のピアニスト ♪ 新編集版 ♪
 昼は水だけで我慢して、夜は豚肉とキャベツを炒めて食べました。
 ご飯がないので大盛りにして食べました。
 お腹いっぱいになると、睡魔が襲ってきました。
 でも必死に堪えました。
 悪夢が怖かったからです。
 
 突然明かりが消えました。
 その後すぐにジーという音がしてチカチカと点滅していましたが、暫くしてまた消えました。
 丸型の蛍光灯を買わなければいけなかったことを思い出しましたが、後の祭りでした。
 暗闇の中を恐る恐る這うように移動して洗面台とトイレとシャワースペースが一体になっている部屋の明かりを点けました。
 
 ドアを開け放つと、六畳間が少し明るくなりました。
 膝を抱えて朝までまんじりともせずに過ごしましたが、何もせずに目を開け続けているのは本当に辛かったです。
 死ぬかと思いました。
 それに長かったです。
 時間が経つのがこんなに遅いとは思いませんでした。

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