後姿のピアニスト ♪ 新編集版 ♪
3つの密を避けるために早めに電車に乗ったが、予想以上に乗客がいた。
マスクをしていない人がちらほらいたので、そういう人たちを避けて車両の端へ移動した。
そしていつものように吊革に掴まろうとしてハッと気づいた。
ウイルスが付着しているかもしれない、と。
慌てて手を引っ込めた時、急ブレーキがかかり、アナウンスが流れた。
「急停車します。ご注意ください」
しかし、既に隣の人にぶつかっていた。
なんとか転ばずに済んだが、思い切りキツイ目で睨まれた。
男はちょっとだけ頭を下げて、ゆっくり方向転換をして反対側の端の方へ歩き始めた。
「俺のせいじゃないし……」とブツブツ言いながら。
会社に着くと、既に出社している人がいた。
経理担当役員だった。
緊急事態宣言の会見を見て眠れなくなったから始発電車に乗って会社に来たという。
上手がいた。
2人で顔を見合わせて苦笑いをしたが、男はすぐに表情を引き締めてタブレットを取り出した。
そして役員の隣に座り、2人でTo Do Listを確認した。
マスクをしていない人がちらほらいたので、そういう人たちを避けて車両の端へ移動した。
そしていつものように吊革に掴まろうとしてハッと気づいた。
ウイルスが付着しているかもしれない、と。
慌てて手を引っ込めた時、急ブレーキがかかり、アナウンスが流れた。
「急停車します。ご注意ください」
しかし、既に隣の人にぶつかっていた。
なんとか転ばずに済んだが、思い切りキツイ目で睨まれた。
男はちょっとだけ頭を下げて、ゆっくり方向転換をして反対側の端の方へ歩き始めた。
「俺のせいじゃないし……」とブツブツ言いながら。
会社に着くと、既に出社している人がいた。
経理担当役員だった。
緊急事態宣言の会見を見て眠れなくなったから始発電車に乗って会社に来たという。
上手がいた。
2人で顔を見合わせて苦笑いをしたが、男はすぐに表情を引き締めてタブレットを取り出した。
そして役員の隣に座り、2人でTo Do Listを確認した。