『後姿のピアニスト』 ~辛くて、切なくて、 でも、明日への希望に満ちていた~ 【新編集版】
気がついたら花屋敷の玄関の前にいた。
銀行からここまでどうやって歩いてきたのかまったく記憶がなかった。
ハッとしてバッグの中を確かめた。
大丈夫だった。
通帳とカードがあった。
10万円を入れた封筒もあった。
ほっとしたら力が抜けて、思わずしゃがみこんでしまった。
「大丈夫?」
庭から玄関へ回って来たらしい奥さんに顔を覗き込まれた。
ピンクのガーデングローブを嵌めた手には小さなスコップが握られていた。
植え替えをしていたらしい。
女が立ち上がると安心したような表情になって、家の中に入るように勧めた。
銀行からここまでどうやって歩いてきたのかまったく記憶がなかった。
ハッとしてバッグの中を確かめた。
大丈夫だった。
通帳とカードがあった。
10万円を入れた封筒もあった。
ほっとしたら力が抜けて、思わずしゃがみこんでしまった。
「大丈夫?」
庭から玄関へ回って来たらしい奥さんに顔を覗き込まれた。
ピンクのガーデングローブを嵌めた手には小さなスコップが握られていた。
植え替えをしていたらしい。
女が立ち上がると安心したような表情になって、家の中に入るように勧めた。