後姿のピアニスト ♪ 新編集版 ♪
 ・岩手での農業体験の日記的発信
 ・古民家共同生活の日記的発信
 ・岩手県内の魅力発信
 ・最上位顧客へのテストマーケティングと検証
 ・本格マーケティングの実施
 ・岩手県内の古民家の開拓
 ・ポストコロナ時代の新しい旅行の提案
 ・新しいビジネスモデルの構築
 ・その他、あれやこれや
 
 夢中になって企画をインプットしていたら突然スマホが動いた。
 邪魔されないようにマナーモードにしていたので震えるように動いていた。
 受話器のアイコンを右にスライドすると、リーダー格の社員の声が聞こえてきた。
 
 一気にアイディアを開陳(かいちん)しようかと思ったが、齟齬(そご)がないかの確認とまとめ直す時間が必要と思い、一旦電話を切った。
 そしてTo Do Listを何度か見直して修正を加え、彼らの昼休みが終わる15分前に掛け直し、できるだけ落ち着いた声でゆっくりとアイディアを説明した。
 
 彼は息を呑んで聞いているようだった。
 一つの説明が終わるたびに、なるほど、と相槌を打った。
 すべてを説明し終わった時、驚嘆するような声が聞こえてきた。
 耳が痛くなるほどの大きな声だった。
 それからしばらくは周りに話している声が聞こえた。
 男のアイディアをかいつまんで説明しているようだった。
 そして、声が戻ってきた。
 「ありがとうございました。はっきりとした方向性が見えました。こちらで出来ることはすぐに着手します」

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