『後姿のピアニスト』 ~辛くて、切なくて、 でも、明日への希望に満ちていた~ 【新編集版】
∞ エピローグ ∞
大きな音と共にヘリコプターが近づいてきた。
谷底で手を振る警察官の上空で停止すると、オレンジ色の上下服を着た救助隊員がワイヤと共にゆっくりと下りてきた。
真下には車があり、ぐったりとして力の抜けた男性を警察官が抱えていた。
救助隊員が下まで降りると、すぐに男性を受け取り、袋状の救助装置で包み込んだ。
そして、安全ベルトを装着してフックをワイヤに接続すると、ゆっくりとしたスピードで引き上げられていった。
少し離れた斜面では多くの人が声を出しながら捜索をしていた。
先頭を行くのは若い警察官だった。
金属の棒を軽く地面に当てながら、靄の中を慎重に進んでいた。
何かに触れたらすぐ気がつくように神経を研ぎ澄ませているようだった。
すると、金属棒が何かに接触したのか、いきなりしゃがみこんだ。
立ち上がった彼の手には黒い革靴があった。
向き直った彼は、真後ろにいる上長らしき警察官に靴を渡した。
大きな音と共にヘリコプターが近づいてきた。
谷底で手を振る警察官の上空で停止すると、オレンジ色の上下服を着た救助隊員がワイヤと共にゆっくりと下りてきた。
真下には車があり、ぐったりとして力の抜けた男性を警察官が抱えていた。
救助隊員が下まで降りると、すぐに男性を受け取り、袋状の救助装置で包み込んだ。
そして、安全ベルトを装着してフックをワイヤに接続すると、ゆっくりとしたスピードで引き上げられていった。
少し離れた斜面では多くの人が声を出しながら捜索をしていた。
先頭を行くのは若い警察官だった。
金属の棒を軽く地面に当てながら、靄の中を慎重に進んでいた。
何かに触れたらすぐ気がつくように神経を研ぎ澄ませているようだった。
すると、金属棒が何かに接触したのか、いきなりしゃがみこんだ。
立ち上がった彼の手には黒い革靴があった。
向き直った彼は、真後ろにいる上長らしき警察官に靴を渡した。