後姿のピアニスト ~辛くて、切なくて、 でも、明日への希望に満ちていた~ 【新編集版】
目が回るほど忙しくしていた両親だったが、子供との時間を大切にすることを忘れることはなかった。
その中でも特に楽しみにしていたのは父のピアノ演奏で、夕食後や休日には必ずと言っていいほどピアノを弾いて聞かせてくれた。
それも様々なジャンルの様々な曲を聞かせてくれた。
クラシックの時もあったし、ジャズの時もあった。
ボサノヴァやポップスの時もあったし、ビートルズやローリング・ストーンズの曲をカッコよく弾いてくれたこともあった。
魔術師のように鍵盤の上を踊る父の指を見ながら、いつか自分も父のようにピアノを弾きたいと思ったものだ。
だから、一生懸命練習した。
父と母の教えを受けながら一生懸命練習した。
そして、いつしか音大の受験を考えるようになった。
授業料は半端なく高いが、奨学金制度を活用すれば公立の音大なら可能だということがわかったので、両親に相談した上で受験を決めた。
しかし、突然父がこの世を去ってしまった。
半端ない喪失感に加えて、すべての将来設計が音を立てて崩れていった。
その中でも特に楽しみにしていたのは父のピアノ演奏で、夕食後や休日には必ずと言っていいほどピアノを弾いて聞かせてくれた。
それも様々なジャンルの様々な曲を聞かせてくれた。
クラシックの時もあったし、ジャズの時もあった。
ボサノヴァやポップスの時もあったし、ビートルズやローリング・ストーンズの曲をカッコよく弾いてくれたこともあった。
魔術師のように鍵盤の上を踊る父の指を見ながら、いつか自分も父のようにピアノを弾きたいと思ったものだ。
だから、一生懸命練習した。
父と母の教えを受けながら一生懸命練習した。
そして、いつしか音大の受験を考えるようになった。
授業料は半端なく高いが、奨学金制度を活用すれば公立の音大なら可能だということがわかったので、両親に相談した上で受験を決めた。
しかし、突然父がこの世を去ってしまった。
半端ない喪失感に加えて、すべての将来設計が音を立てて崩れていった。