後姿のピアニスト ~辛くて、切なくて、 でも、明日への希望に満ちていた~ 【新編集版】
 部屋に戻ってシャワーを浴びるとビールが飲みたくなった。
 しかし冷蔵庫は空っぽだったので、自販機で買うために服を着て靴を履いた。
 そしてチェーンを外してドアを開けようとした時、何かに呼び止められたような気がした。
 そうだった。空港の売店で買ったものを忘れていた。
 泡盛(あわもり)古酒(クース)
 早速製氷機から氷を取ってきて、ガラスコップに注いだ。
 
 キレのある味わいが喉に沁みた。
 その上、室温を高めに設定しているのでオンザロックがたまらない。
 テレビから聞こえる沖縄民謡が心地良く、二度三度とお代わりが進んだ。
 クースと沖縄民謡は最高のマリアージュだと思った。

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