クラスのマドンナに告られた

「あら、いらっしゃい」

 と、未来のお母さんらしき人が俺に話してきた。

「私は斉木美奈、未来のお母さんよ」
「これはどうも、お付き合いさせてもらうことになる、御堂翔太と言います」
「あら、礼儀のいい子」
「ほめてくれてありがとうございます」

 こういう時の挨拶の仕方などはわからないが、とりあえずこれでいいだろう。

「私は、未来の父親である斉木敏夫だ。娘のことよろしく頼む」
「もうパパ、まだ早いよ。結婚するわけじゃないし」
「そうだが、やはり挨拶はしっかりとしなくてはな。何しろうちのかわいい愛娘の彼氏なんだ」
「もう、パパってば」

 と、二人は抱き合う。仲のいい家族なんだろうな。

「おっと主役を除け者にしては行かんな」
「主役?」
「ああ、俺たちの娘の選んだ子だ。主役に決まっている」
「そうですか」
「ああ、今日は存分に歓迎の準備はできてるぞ」

 そしてみんなでワイワイとご飯を食べた。
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