クラスのマドンナに告られた

(遅いな)

 と、ふと思った。そして、焼きそば屋さんを見ると、もう未来の姿はなかった。どこに行ったんだ? と思い、から揚げを置き、少し歩く。

「なあ、姉ちゃん。頼むよ、俺たちと一緒に水族館回らね?」
「連れがいるから無理です」
「連れ? 俺たちと回ったほうが絶対楽しいぜ」
「いや、私は……」
「そんな遠慮しない方がいいぜ。絶対楽しいからさ」

(何をやっているんだ? あいつらは)

 まあ、言葉で表すのなら、絶対ナンパなんだろうけど、あんなあからさまなことあるか?
 明らかに未来が嫌がってるだろ。


 はあ、仕方ねえ。

「ちょっといいか?」

 俺はナンパ男たちの背後に立ち、そう言った。
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