クラスのマドンナに告られた


「ヒーロー、この問題解けるか?」

 そう、先生に言われてしまって、「はい、解けます」と言って黒板の前に行く。正直もう恥ずかしさを通り越してもうどうとでもなれと言う気持ちだ。
 先生も何で悪乗りするんだよ。

「残念だが、違うな」

 しかも俺の答えは間違ってたらしい。

「え? 翔太くん、ナンパ男は撃退できるのに、この問題は解けないんだ?」

 そう、三森さんが言った。それに隣にいた上島さんもにって、「やっぱり適材適所だね」と言った。もう、俺どうしたらいいんだよ。

 そうだ、未来は……?
 と思ってそっちを見たら、こちらをまっすぐに見ていた。何を考えているんだろうか、俺にはわからない。
 後で聞いてみるか。

 そして席に戻ると、「災難だな」と、長谷川君が小声で言ってくれた。はあ、唯一の味方かもしれん。
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