クラスのマドンナに告られた

 という訳で、未来が一口俺にさし出した。あーんをする形で。

 周りからの視線を感じる。羨ましいとでも思われてそうだ。しかも、さっきまでは築かなかったが、よく見たら三森さん、上島さんもいるじゃねえか、絶対この人たち俺たちを観察するために来ただろ。全く、こんな状態でイチャイチャするこっちの身にもなってくれ。
 そして、俺は未来の差し出す端をしっかりと口にくわえ、しっかりと食べる。

「どう? おいしい?」
「おいしい!! けど……周りの目が気になる」

 周りを見ると、軽く殺意を抱いている人が複数人いそうだ。

「そんなこと気にしなくていいんだよ。もしも翔太君に嫌なことする人がいたら、私が守ってあげるから」
「ああ」
「じゃあ、翔太君も、私にあーんして?」
「分かった」

 と、俺も橋を差し出すと、未来は魚のようにパクっと食べた。

「おいしい!!」
「良かった」

 そして俺たちはその場を後にした。そしてクラスに戻ると、
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