クラスのマドンナに告られた

「お疲れ」

 歌い終わったらすぐに未来が俺をハグのポーズで迎えてた。

「なんでだよ」
「だって不安ならもっとハグをしないとね」
「もう不安じゃねえよ」
「でもカップルになったんだしね」
「まあそうか」

 と、ハグに応じると……

「イエーイ!」

 と、ぎゅっと抱きしめられた。

「おい」

 ちょっと強く抱きしめすぎな気がする。もうちょっと軽い感じのハグだと思っていたが。

「何?」
「もう少し軽くやってくれ」
「えー。友達ハグじゃなくて、カップルハグなのよ。これぐらい強めでやってくれていいじゃない」

 そんな義理チョコ、本命チョコみたいな感じで言われても。

「そういや歌う時間なくなるぞ。画面広告が始まっているし」

 てか点数見るの忘れてた。

「ああ、そうだね」
「そういや、点数見てた?」
「見てましたよ。八五点ぐらいでした」
「おお、いい感じだな」

 まあカラオケに行ったことがないから相場とかわからないんだが。

「それにいい声でしたよ」
「それはありがたい」

 なんにしろ褒められるのはうれしいことだ。ありがたい。

「じゃあ歌いましょうかな」

 クラスのマドンナの歌声か……楽しみだ。
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