初恋愛-ハツレンアイ-
到着して、目の前に一つしかない大きなドアのインターフォンを鳴らすと
間もなくして、ガチャリと扉が開き

「どうぞ。」

その声に促され中に入る。

「朝からすみません。那智さん…
さっきも言いましたが、どうしても聞きたいことがあって。」

頭を下げて言った。

此処は、那智さんの会社兼自宅ビルだ。


頭を上げると、白いゆったりとした温かそうな部屋着を纏った那智さんが、苦笑いを浮かべ、髪を掻き上げて言った

「この前思い切り振った相手に何の用?」

咄嗟に「あれはっ!」と言った俺に、部屋の奥に歩きながら

「冗談よ、上がって。」

笑って言った。

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