初恋愛-ハツレンアイ-
「それで、その遺体がどうして兄アルギオスで
僕が弟アルゲネスだと言うのですか?
同じ遺伝子を持ち、鏡のようにそっくり、違う所何て何一つ無い、書く字でさえ同じなのに、
そんな僕等の違いをどうやって証明出来るんですか?」

再び強気な語気になったカイに、健はタクとチラリと視線を合わせ、少し口元を緩め

「…やっぱり知らないんだな。
例え鏡の様に瓜二つの一卵性双生児でも、違うんだよ。
指紋は…」

そう言うと、途端に青ざめた顔のカイは、「指紋…」と呟くと、自分の両手を広げ凝視していた。

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