初恋愛－ハツレンアイ－

その涙さえも愛おしく、凛の顎をそっと上げ、舌で頬に伝う涙の一滴（ﾋﾄｼｽﾞｸ）を拭うと、ビクリと反応し、大きな瞳を更に大きく見開いた。
一緒に少し開いた唇に、そのまま健の唇を重ねる…

「涙、止まったみたいだね。」

唇を離し悪戯っぽく笑みを浮かべながら囁くと
固まっていた凛の顔が見る見る赤く染まり、俯いて小さく『もう！』呟いた後、

「…しょっぱいね。」

瞳だけをこちらに向けて言うと、ニッコリと笑った。
お互い何だか妙に恥ずかしくなり、一緒に照れ笑いした。

落ち着いた凛は、健の家を飛び出してからの事を話してくれた。