初恋愛-ハツレンアイ-
―――――

飛び出して、泣きながら当てもなく歩いていると、カイに呼び止められ、

何もかもどうでもよくなっていた凛は、カイに促されるまま、気が付いたらホテルの一室に居て、
もう何処か遠くへ行ってしまいたいと思っていた凛にカイが、父親に会わせてくれると言うので、健とやっちゃんに別れを告げた…

でも日が経つにつれ、
やっぱり健が好きで、
父親に会うより、健に会いたい、カイとは一緒に行けない。
そう言ってからの記憶が曖昧で、途切れ途切れで…、覚えているのは、
健に名前を呼ばれ、健の微笑みを最後に意識が途絶え、気が付いたら、
この病室のベッドの上だった…。

―――――

窓から差し込む夕日が、
話し終えた凛の紫の髪を、ブルーグレーの瞳をより一層美しく引き立たせている。
胸の鼓動がドクンと大きく波打ち、思わず見とれていると、病室のドアが勢いよく開けられ、
ハッとしてそちらを見た。凛の視線も向けられていた。驚きの表情を浮かべて…

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