初恋愛-ハツレンアイ-
窓にもたれ掛かりながら、そんな二人の様子を微笑ましく見つめている健にやっちゃんが、

「後はお願いしますね。」

少し口角を上げて言い、凛を残し、出て行こうとした時、

「卒業おめでとう!」

健の背中に、何人かの重なった声が聞こえ、驚いて振り向くと、ひまわり、洸、タクが窓から顔を覗かせていた。

凛とやっちゃんもその声に驚いて窓に視線を向けていた。

三人は、庭の方の入口からゾロゾロと入って来て

「タクの言った通り、凛ちゃん此処にいたね。」

ひまわりが嬉しそうに笑顔で言う横で、タクが健にウインクをしてみせた。

ひまわりと洸が落ち着くまでは、凛との事は特に言うつもりが無いことをタクには話していたのだ。それにしても…
コイツ楽しんでいるな…

横目で、少し睨むと、
タクは、ヘヘッと笑って頭を掻いてみせた。

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