初恋愛－ハツレンアイ－
一気に静かになった保健室で、誰からともなくフッと笑みが零れた。


その後、ひまわりと洸が三人から、と『お疲れ様』の花束をくれた。

「タケ兄と此処で顔を合わせることがなくなるのは淋しいな…」

ひまわりが部屋を見回しながら言うと

洸も『そうだな。』
ポツリと少し淋し気に言った。

そんな風に言われると、妙に淋しさが込み上げてくる。
でもこれは、ひまわりを近くで見守るためになった保健医をやめるからではなく、自分の居場所であった此処での役目が終ったことに対してのものだから、反面嬉しさもある。


「お前達は、幸せを見つけて歩き出しているんだから、淋しいなんて言ってる場合じゃないだろ？

それに…遠くへ行くわけじゃないんだから、何時でも会えるよ。」

ひまわりと洸に笑顔で言うと、『そうだね』『だな』と笑顔で応えてくれた。

そして、『じゃあ俺らもそろそろ行かないと。』と言って保健室を出ようとしている二人に、
健は『頑張れよ。』の言葉を、凛はお礼を言った。


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