初恋愛-ハツレンアイ-
今度は健が怪訝な顔をしていると、一頻り笑ったタクが口を開いて

「マジでそれ分かんないの?」

そう言うと、
健が右手で頭をクシャクシャとさせながら

「何だかスッキリしないんだよ…
糸が絡まったみたいに。」

タクは飲み干したコーヒーを机に置くと、顎に手を当て

「タクちゃん情報だと穏雅ちゃんは昔はかなり女遊びが激しく、恋愛達人のハズ…

成る程、同じ種類の人間か…」

そう言うと、伏し目がちにフッと笑って、スッと立ち上がり入って来た入口に向かいながら

「コーヒーご馳走様。
それから、先生の聞きたかった答え…
それ、『恋』だから。

ま、相手の事は今度教えてくださいね。」

背を向けたまま言うと、右手をヒラヒラさせながら出て行った。
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