初恋愛-ハツレンアイ-

熟れた果実

次の日、
生徒達はまだ講習を受けている時間だから静かな保健室で、
やっと明日から休めるな…
少しボーッとして机に頬杖をいて考えていると、ドアが静かに開く音がしたので、顔だけそちらに向けると、

えっと…確か、今年入った国語の新任の…

「田島先生、どうされました?」

頬杖を止め、椅子を田島先生の方に向けて尋ねた。
すると上目使いで、目をパチパチさせ、頬にかかっている髪を耳に掛けながら

「あの、今日で講習も休みに入るので、皆で飲みに行きましょうって、
宜しかったらどうですか?」

田島先生は、会うと必ず話し掛けて来て、いつもこの上目使いで見る。
確かに卵形の輪郭、パッチリ二重、濡れたような唇にグラマーな体型を強調しているスーツ
一般に男うけのいいタイプなのだろう。
現に男子生徒からは大人気だ。
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