初恋愛-ハツレンアイ-
握り拳を微かに震わせ、田島先生に顔を向けた健の目は、驚くほど冷たく無感情で、

「二度と来るな。」

抑揚の無い、低く響く声に、田島先生の顔がみるみる青ざめていき、
無言のまま逃げるように出て行った。

波だった心を鎮めるように大きく息を吐き、
矢萩を探すべく庭に飛び出し走り出した。


すると
急に頭目掛け、シュッと音をたて何かが飛んできたので咄嗟にしゃがみ、すんでのところでよけた。

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