初恋愛-ハツレンアイ-
トンッと健の胸に体を預けた矢萩の体はスッポリと包まれてしまうほど小さく細かった。
健は矢萩を抱きしめると、微かに震える体と、速く高鳴る鼓動を感じ、
愛おしさに矢萩を包み込んでいた両腕にギュッと
力をいれた。

今までなら、即押し倒していたに違いないが、今こうして矢萩を抱きしめているだけで、俺の鼓動も速まり、バクバクと音をたて、包み込む手はこんなにも震えている。

こんな格好悪い俺に気付きませんように…

空が青から赤へと代わりゆく中、二人の重なり合った鼓動が静かな屋上に響いているようだった。
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