初恋愛-ハツレンアイ-
「初めまして…矢萩凛です。」

皆にジロジロ見られ、
恥ずかしそうに少し俯き加減にペコリと頭を下げて挨拶をした。

それを見た健は、頭をポンポンとして微笑んだ。


二人の様子を見ていた悪友たちは口々に、

「とうとう生徒にまで手を出した。」
「昔の健からは想像つかない真面目ぶりだ。」
「手が早いから気をつけてね。」
言いたいことを一頻り言うと、

「また一緒に飲もうね。」
最後に立ち去りながら、加護原佐知が言った。


一気に静けさが戻り、波の音が耳に届くようになると、健はフゥと息を吐き凛に向かって

「煩くてごめんな。」

苦笑いを浮かべて言った。

凛は微笑みながら頭を横に振った。

気が付けば、空は夕焼け、海も赤く染まっていた。

「そろそろ戻ろうか。」

健の言葉に凛も頷き、二人は車に戻って行った。
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