初恋愛-ハツレンアイ-
「へぇー、広いね、
それに凄く綺麗にしていてビックリ。」

少し緊張気味に、でも興味津々にキョロキョロと見回している凛に

「適当にソファーにでも座って。
あんまジロジロ見んなよ、恥ずかしいから…」

ソファーに腰を降ろした凛に、キッチンで買った物を片付けながら言った。

それから

「コーヒーでいい?
インスタントしかないけど…」

ヤカンに水を入れ、火にかけた。

「あ、手伝う。」

そう言って立ち上がりキッチンにいる健の元に歩み寄ってきた。
然程広くはない所に二人並んで準備をしていると、ふとした時に、凛の髪からなのか体からなのか、微かに爽やかな甘い香りが健の鼻をくすぐり、小さな後ろ姿に、胸が騒ぎ出し、抱きしめてしまいたくなる衝動を何とか抑えていた。

抱きしめてしまったら止まらなくなってしまいそうだったから…
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