初恋愛-ハツレンアイ-
その笑顔はとても綺麗だったが、あの赤い瞳のためか、やっちゃん曰く
『瞳の奥が笑ってないようで怖い』と感じたそうだ。

休み時間になると、皆がいつの間にかカイくんと呼んでいたカイ・ヨハンソンの席に一斉に群がり、質問の嵐となっていた。

「髪と瞳の色は天然?」
「なんで日本語上手なの?」
「彼女はいる?」
なんていう質問まで…
それでも
嫌な顔一つせず爽やかな笑顔で

「こんなに歓迎されるなんて嬉しいな、

髪と瞳は天然、
身内に誰も知らないような小さな国の人間がいて、その血をひいているかららしい、
日本語が喋れるのも、
身内に日本人がいるからだよ。

彼女はいないけど、探し求めている女性(ヒト)がいるんだ…」

そう言うと、女子生徒達の黄色い声が飛び交う中、斜め前に座る凛の背中を見つめてまた笑顔を見せていた。

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