転生したら恋愛小説で悲劇のヒロイン~私は死にたくありません~
お妃教育
ジュリアは翌日より城でお妃教育を受けることになった。
驚いたのは王族に嫁ぐための教育を受ける学校も存在するという。
その学校はこのワイルドウッド王国以外に、隣国で同盟国であるシュナウザー王国、アンデルハウンド王国の王族に嫁ぐ女性たちが一緒に学ぶ学校だ。
ちょうど中間に位置するワイルドウッド王国にその学校はある。
それはジュリアのいるこの城の敷地内で一番東側に位置するところにその校舎はあるのだ。
全寮制の学校だが、それぞれの国が学校に隣接するように小さな城を建てている。
それは寮というよりも、豪華な別荘からそれぞれ通っているようなイメージだ。
ジュリアと同じ時期に入学したのは、シュナウザー王国の王太子の婚約者であるリリアン・ウェンタイザー嬢だ。
リリアンとはこれから一緒に学ぶことになる。
ジュリアは緊張しながら授業を受ける教室に座っていた。
すると、少しして一人の女性が教室に入って来た。そしてジュリアを見ると笑顔で近づいて来たのだった。
「こんにちは、私はリリアン・ウェンタイザーというの、よろしくね。」
リリアンはシルバーのキラキラと輝く髪をクルクルとカールさせており、薄い緑色の瞳はまるで宝石のエメラルドのようである。
白く透けるような肌の美少女だが、人懐っこい笑顔が印象的だ。
ちょうど年齢も同じという事で良い学友になりそうだ。
「こんにちは、私はジュリア・ハーベスト、こちらこそよろしくね。私のことはジュリアと呼んでね。」
「ありがとう、では私はリリーと呼んでくださいね。」
話を聞くと、リリーはジュリアより一週間早くこの学校に入学したという。
少しだけジュリアよりこの学校について知っており少し先輩だ。