転生したら恋愛小説で悲劇のヒロイン~私は死にたくありません~

レノアとマルノフ殿下の誤解も解けてめでたしめでたしだが、ジュリアはここで大きな問題に気が付いた。
アレックス様がお茶会の様子を見に来ると言っていたが、恐らくあの場にアレックス王太子が登場したら大変な騒ぎになりそうだ。
しかも、私がアレックス王太子の婚約者とバレてしまう。


「あの…アレックス様、お茶会は私一人で大丈夫ですので…」


ジュリアの言葉を聞いてアレックス様は怪訝な表情でジュリアを見た。


「ジュリア嬢、私がお茶会に参加するとなにか問題があるのかな?」


「そんなことは、全くございませんわ…でもアレックス様はお忙しいと思いますので…」


「それくらいの時間は問題ない。ジュリア嬢、早く行くぞ!」


すたすたと歩き始めたアレックス様の後姿を見て、ジュリアは胃が痛くなりそうな気分だった。



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