護衛騎士は聖女の教育係(男性不信)を一途に愛する
心配
「ここなら大丈夫だろう」
ヴィアが連れてきてくれたバルコニーで、フィオナは大きく深呼吸をする。夜の空気が胸いっぱいに広がり、さっきまでの苦しさは消えていく。夜空にキラキラと輝く美しい星に気づけるくらいには、フィオナは落ち着きを取り戻した。
「ありがとう、ヴィア。こんな大切な日に迷惑をかけてしまったわね。本当にごめんなさい……」
自分のせいで護衛騎士であるヴィアの手を煩わせてしまっていることに、フィオナは落胆してしまう。
「いいんだ、あの男があまりにも不躾すぎるだけだ。フィオナは別に悪くない」
「でも、やっぱり私なんかがこういう場所に来るべきではなかったわね。ちゃんとリリア様の晴れ姿を見てお祝いしたいという個人的な気持ちで動くべきではなかったわ。こんな風になってしまっては、リリア様をちゃんとお守りすることもできないのに」
静かにため息をついて、ソフィアは悲しげに呟いた。大事な時にまでこんなふうになってしまう自分の体が疎ましい。
「リリア様だって誰よりもフィオナに祝ってほしいと言っていた。フィオナがここにいることは無駄なことでもなんでもない。気にする必要はないんだ」
静かにそう言うヴィアの顔は、闇の中で広間から差し込む光に照らされて美しい。なぜだろう、ほんの少し微笑んでいるようにも見えて、フィオナの胸はまたキュッとなる。
(どうして、また胸が苦しい。でも、嫌な苦しさじゃないのは一体何?)
ヴィアが連れてきてくれたバルコニーで、フィオナは大きく深呼吸をする。夜の空気が胸いっぱいに広がり、さっきまでの苦しさは消えていく。夜空にキラキラと輝く美しい星に気づけるくらいには、フィオナは落ち着きを取り戻した。
「ありがとう、ヴィア。こんな大切な日に迷惑をかけてしまったわね。本当にごめんなさい……」
自分のせいで護衛騎士であるヴィアの手を煩わせてしまっていることに、フィオナは落胆してしまう。
「いいんだ、あの男があまりにも不躾すぎるだけだ。フィオナは別に悪くない」
「でも、やっぱり私なんかがこういう場所に来るべきではなかったわね。ちゃんとリリア様の晴れ姿を見てお祝いしたいという個人的な気持ちで動くべきではなかったわ。こんな風になってしまっては、リリア様をちゃんとお守りすることもできないのに」
静かにため息をついて、ソフィアは悲しげに呟いた。大事な時にまでこんなふうになってしまう自分の体が疎ましい。
「リリア様だって誰よりもフィオナに祝ってほしいと言っていた。フィオナがここにいることは無駄なことでもなんでもない。気にする必要はないんだ」
静かにそう言うヴィアの顔は、闇の中で広間から差し込む光に照らされて美しい。なぜだろう、ほんの少し微笑んでいるようにも見えて、フィオナの胸はまたキュッとなる。
(どうして、また胸が苦しい。でも、嫌な苦しさじゃないのは一体何?)