護衛騎士は聖女の教育係(男性不信)を一途に愛する
リリア襲撃事件が収束し、侵入者への尋問が行われた。それにより、ヴィアが受けた矢に大きな問題があることが発覚する。
「呪いの矢、ですか」
「そうだ。侵入者の話だと、あの矢には特殊な呪いがかけられていて、矢を受けた人間は愛する人間と心から愛し合うことができなければ次第に毒が体内を巡っていくらしい。じわじわと毒に侵され、最終的には死を迎えると」
デミルの説明に、その場の全員が息を飲む。驚きのあまり、フィオナは両目を見開いてヴィアを見つめた。
「侵入者を雇った人間は、デミル殿下を狂信的に思っている伯爵令嬢だそうです。リリア様との結婚を認めたくないあまり、呪いの矢をリリア様に向けた、デミル殿下に愛されることがなければリリア様が死ぬ、それを狙ってのことらしい」
騎士団長の説明に一同は驚く。古くからの習わしで国の決めた結婚だからデミルがリリアを心から愛することはないだろうとたかを括ったらしい。じわじわと毒に侵され死んでいくリリアの姿を楽しみにしていたと言う。なんとも恐ろしい思考の持ち主がいるものだと、その場の全員が顔を顰めた。
「ヴィア、私のせいでこんなことに……本当にごめんなさい」
「いえ、リリア様が謝ることではありません」
「幸いなことに、ヴィアには愛する人間がいません。そもそも愛する人間がいない者がこの矢を受けても、毒は体内に巡らず排出されていくそうでです。ヴィアは女性が苦手でお付き合いしている女性もいない。ヴィアならおそらく大丈夫でしょう」
騎士団長の説明にヴィアは真顔で頷く。それを見てフィオナやデミルはホッとするが、リリアだけは複雑な表情をしてヴィアを見つめた。
「呪いの矢、ですか」
「そうだ。侵入者の話だと、あの矢には特殊な呪いがかけられていて、矢を受けた人間は愛する人間と心から愛し合うことができなければ次第に毒が体内を巡っていくらしい。じわじわと毒に侵され、最終的には死を迎えると」
デミルの説明に、その場の全員が息を飲む。驚きのあまり、フィオナは両目を見開いてヴィアを見つめた。
「侵入者を雇った人間は、デミル殿下を狂信的に思っている伯爵令嬢だそうです。リリア様との結婚を認めたくないあまり、呪いの矢をリリア様に向けた、デミル殿下に愛されることがなければリリア様が死ぬ、それを狙ってのことらしい」
騎士団長の説明に一同は驚く。古くからの習わしで国の決めた結婚だからデミルがリリアを心から愛することはないだろうとたかを括ったらしい。じわじわと毒に侵され死んでいくリリアの姿を楽しみにしていたと言う。なんとも恐ろしい思考の持ち主がいるものだと、その場の全員が顔を顰めた。
「ヴィア、私のせいでこんなことに……本当にごめんなさい」
「いえ、リリア様が謝ることではありません」
「幸いなことに、ヴィアには愛する人間がいません。そもそも愛する人間がいない者がこの矢を受けても、毒は体内に巡らず排出されていくそうでです。ヴィアは女性が苦手でお付き合いしている女性もいない。ヴィアならおそらく大丈夫でしょう」
騎士団長の説明にヴィアは真顔で頷く。それを見てフィオナやデミルはホッとするが、リリアだけは複雑な表情をしてヴィアを見つめた。