護衛騎士は聖女の教育係(男性不信)を一途に愛する
あなただから、という殺し文句
「フィオナ!」
翌日、聖女のいる部屋に行こうと王城内を歩いていたフィオナは、背後から聞こえてくる声に振り向く。そこにはフィオナの方へ急いでやって来るヴィアの姿があった。
「ヴィア、おはよう」
「昨日はすまなかった。あれから大丈夫だったか?」
「あなたが謝ることじゃないわ、大丈夫よ。ありがとう」
心配してくれるヴィアの気持ちが嬉しくて、フィオナは笑顔でそう言った。そんなフィオナの笑顔を見てヴィアはなぜか一瞬固まったが、すぐにいつものようにフィオナの隣を歩き始める。
フィオナは婚約破棄の一件以来、男性が近くにいると緊張して吐き気や眩暈、動悸が起こってしまう。出会ったばかりの頃はヴィアに対しても起こっていたが、ヴィアは詳しいことは何にも聞かずただ適切な距離を保つようにしてくれた。何より、ヴィア自身が女性をあまり好ましく思っていないということがフィオナを安心させる一つにもなっている。
そのおかげで、ヴィアだけはフィオナの近くにいても全く問題ない男性なのだ。
「むしろベルゼさんに悪いことをしてしまったかしら。何も言わず、態度が悪かったかもしれない」
「あんな奴のことは気にするな。あいつもどうせ何も気にしちゃいない」
翌日、聖女のいる部屋に行こうと王城内を歩いていたフィオナは、背後から聞こえてくる声に振り向く。そこにはフィオナの方へ急いでやって来るヴィアの姿があった。
「ヴィア、おはよう」
「昨日はすまなかった。あれから大丈夫だったか?」
「あなたが謝ることじゃないわ、大丈夫よ。ありがとう」
心配してくれるヴィアの気持ちが嬉しくて、フィオナは笑顔でそう言った。そんなフィオナの笑顔を見てヴィアはなぜか一瞬固まったが、すぐにいつものようにフィオナの隣を歩き始める。
フィオナは婚約破棄の一件以来、男性が近くにいると緊張して吐き気や眩暈、動悸が起こってしまう。出会ったばかりの頃はヴィアに対しても起こっていたが、ヴィアは詳しいことは何にも聞かずただ適切な距離を保つようにしてくれた。何より、ヴィア自身が女性をあまり好ましく思っていないということがフィオナを安心させる一つにもなっている。
そのおかげで、ヴィアだけはフィオナの近くにいても全く問題ない男性なのだ。
「むしろベルゼさんに悪いことをしてしまったかしら。何も言わず、態度が悪かったかもしれない」
「あんな奴のことは気にするな。あいつもどうせ何も気にしちゃいない」